上田氏との打ち合わせ:8/プロトタイプⅠとⅡの比較 2013年7月17日

本日、プロトタイプⅠとⅡは初めて2台並んで比較された。

テスト結果[8](プロトタイプⅠ及びⅡ、それぞれ最適と思われるセットアップ状態での特色)

類似性

 ・E線は両楽器ともに、典型的なチェロの音色ではなく、ややトレブル(ヴィオラ・ダ・ガンバ属の高音楽器)の音色に似ている。

・A線は両楽器ともに、4弦チェロに比較しやや音量が劣る。

・両楽器ともに、D線及びG線での特に高域のポジションにおいて、倍音や音の響きが損なわれている。

・同様の仕様の4弦チェロに比較すると、両楽器ともに全体的に音量が小さい。

相違点

・プロトタイプⅡは、Ⅰに比べてレスポンスに優れ、全体的によりはっきりとした強い音が出る。

・プロトタイプⅡは、Ⅰよりも、E線独特の鼻にかかったような音質の特徴がやや弱いようである。

・プロトタイプⅡのヴォルフ音は、Ⅰよりも弱く出ているようである。

~打ち合わせ8において、比較を終えてからのさらなるアクション~

プロトタイプⅠのテールピースから駒までの弦長を、110から115mmにまで延長してみた。このことで、高弦の音質と音量にはいずれも顕著で好適な変化が見られた。しかし、総合的には依然としてプロトタイプⅡのほうが良い音質であると言える。

4弦チェロを5弦チェロに改変・改造するには約15~25万円の範囲のコストがかかることも、このたび判明した。

結論

2台のプロトタイプのうちでは、小型のプロトタイプⅡがより良い音の特性を持つことが分かった。

しかしながら、イーストマンのオリジナルの4弦チェロ時と比較すると、音量、音質ともに顕著な損失が見受けられた。これらの事実は、次の認識に繋がることとなった。

  • 5弦チェロは4弦チェロよりも音量が劣るようである(理由については調査が必要) 。
  •  小型の5弦チェロは、レギュラーサイズの5弦チェロよりも音質が優れているようである。
  •  プロトタイプⅡは5弦に改造、変換されたことにより楽器本来が持つ音の特性をいくつか失うに至った。したがって、現時点ではオリジナルなハイ・レベルの5弦チェロ製作が完成するまで、既存の4弦チェロを5弦チェロへ改造、変換することは推奨できない。

これによって、本研究の今後について明確な方向性が示された。

アマティとストラディヴァリが5弦チェロを4弦チェロよりも小さく製作した判断と同様、本研究でも2つのプロトタイプの実験で得られた経験に基づき、5弦チェロのサイズを小型で決定することとなった。

 

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