上田氏との打ち合わせ:4/E線の調整、強力なヴォルフ・キラーの装着 2013年5月18日

弦のテンションを緩和し、高弦の音をわずかにソフトにするために、テールピースと駒の間の弦の長さは10mmずつ短くなるよう調整された。さらに、G線にはヴォルフキラーは今までよりも重めのもの(9グラム)が取り付けられた。

 

サウンド・テスト結果[4](ファインチューン・ペグ装填、軽量化したテールピース、テールピースと駒間の弦長の縮小、強力なヴォルフキラーの装着)

 

E線の鼻にかかったような音質は多少改善され、そのことにより、E線、A線間の音質については以前ほどの明確な差異は感じられなくなった。それにもかかわらず、比較可能なほぼ同レベルの4弦チェロに比べ、この5弦チェロの楽器自体の共鳴、響きは劣るように見受けられる。

サウンド・テストで得られた音質の特性がやや残念とも言える結果であったために、我々はより良い音質を求めて他の可能性や方法についての検討を始めることとなった。

資料によればアマティやストラディヴァリらの5弦チェロは、彼らの4弦チェロよりもサイズが小さく製作されていた。そこで、次に取り掛かるプロトタイプⅡはこれに倣い同様のサイズで試作することとし、当時のアマティやストラディヴァリらの5弦チェロに最も近いサイズ(現代の分数楽器7/8に相当)の安価な4弦チェロを、新たにオーダーすることを決定した。

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